学問のすすめ 2011 10 10

 人生の秋において思うことは、
「もっと勉強しておけばよかった」ということです。
好き嫌いなく、あらゆる分野に精通している必要があったと思います。
もう失われた時間は取り戻すことができない。
 今でも、時々、少年の頃を思い出します。
あれは、今から数十年前、かなり遠い記憶です。
 今だからこそ理解できますが、
インターネットの技術を教わったのは、40年近く前だったと思います。
 しかし、少年の私には理解できなかったのです。
しかも、あの時代の通信技術は、電話と電報だけでした。
FAXはあったかもしれませんが、庶民は見ることはできませんでした。
 あの頃の私には、それが漁業で使う投網のイメージ以上の理解はできなかったのです。
「投網のようなものが、どうして通信技術と関係するのか」と思ったのです。
 数十年後、インターネット通信網の図を見ましたが、
正に、インターネット通信網は、「投網」のような構造でした。
 どんなに高度なインスピレーションでも、
受け手である本人の能力の限界を超えることはできません。
そして、蓄積された知識も、本人に能力がなければ、
それを取り出して使うことはできません。
 禅の言葉に、
「そっ啄同時」(そったくどうじ)という言葉があります。
(漢字は、へんが「口」で、つくりが「卒」となります)
 卵の殻を雛が内側からつつくことを「そつ」と言います。
同時に、親鳥が外側から殻をつつく「啄」よって、
卵の殻が破れて、中から雛が出てくるのです。
 未来には希望があります。
やがて、若者の中からインスピレーションと学問を同時に習得した天才たちが、
次々と現れてくるイメージがあります。
その時、私は老兵となって消えていくでしょう。

ベテルギウス 2015 9 26

 秋になると、星空がきれいに見えるようになります。
ベテルギウスとは、冬の星座であるオリオン座の一等星(変光星)で、
地球からは、約640光年離れている赤色超巨星です。
質量は太陽の約20倍、直径は太陽の約1000倍もあります。
 なぜ、このような巨大な恒星になってしまったかというと、
星としては、終末期を迎えていて、
いつ超新星爆発があっても、おかしくない状態です。
 もし、超新星爆発があったら、
地球では、まず最初にニュートリノが観測され、
その後、ガンマ線がやってくるでしょう。
いずれにせよ、膨大な量の放射線が地球に届くでしょう。
 とりあえず、NASAの研究では、
超新星爆発におけるガンマ線の放出には、
恒星の自転軸から2度の範囲の指向性があり、
地球は、その方向から外れていますので、
ガンマ線バーストが地球を直撃する可能性はないでしょう。
詳しくは、「ベテルギウスの超新星爆発」(野本 陽代  幻冬舎新書)を読んでください。
 現在、ベテルギウスが、どうなっているのか、わかりません。
今、地球で観測しているベテルギウスの姿は、640年前の姿です。
光の速度と情報は等価となるからです。
つまり、情報の速度は光の速度を超えることができないからです。
 もしかすると、ベテルギウスは超新星爆発により、現在、存在していないかもしれません。
超新星爆発があったという情報が地球に届くまで640年かかります。
 さて、地球に膨大な量の放射線が届くと聞いて、
ベテルギウスの今を知りたくなりましたか。
 ここで、「頭の体操」をしましょう。
640光年の距離というと、途方もない距離に思えますが、
それは、3次元で考えれば、途方もない距離になりますが、
ひとつ次元を上げれば、640光年は近いと言えるでしょう。
 もちろん、いきなり自分よりも上位の次元を考えるのは困難です。
そこで、「頭の体操」で、自分よりも下位の次元を考えるのです。
 たとえば、「2次元宇宙」というものが存在していたとします。
あなたには、「2次元宇宙」は、広大な紙のように見えます。
 「2次元宇宙」の人は、AからBへ移動するのに、
途方もない距離を移動することになりますが、
「3次元宇宙」に存在する「あなた」は、
いくら巨大な紙でも、折りたたんでしまえば、
A点とB点は、紙の表と裏なので、距離はゼロのようなものであると思うでしょう。
 宇宙は遠くない。
宇宙にトンネルがあると言ったら大変なことになるでしょうか。
 おそらく、科学者たちは、
「いったい誰が、どのようにして作ったのか」と議論になるでしょう。
 しかし、それは、余計な詮索と言えるでしょう。
こう考えてみれば、どうでしょうか。
車で道路を走っていたら、トンネルがあった。
トンネルを通れば、向こう側まで10分で行くことができます。
 しかし、このトンネルは、
「いったい誰が、どのようにして作ったのか。
それがわからない限り、トンネルを通ることはできない。
だから、私は、峠道を5時間もかけて向こう側まで行く」という人がいるでしょうか。
たいていの人が、何も考えず、便利にトンネルを使うでしょう。
 やがて、人類も、何も考えず、
便利に宇宙のトンネルを使うことになるでしょう。

ベテルギウス 2011 12 11

書名 ベテルギウスの超新星爆発
著者 野本 陽代  幻冬舎新書

 ベテルギウスという星は、オリオン座の一等星(変光星)で、
日本では、12月は、ちょうど見やすい時期でしょう。
 オリオン座自体が、冬の星座の中で、
最も目立つ星座と言えますので、
誰でも見つけることができるでしょう。
 さて、書評に入ります。
以下は、引用です。
「オリオン座の一等星ベテルギウスに爆発の兆候」
 2011年1月、そんな衝撃的なニュースが流れました。
地球から約640光年と比較的近い距離にあるベテルギウス。
そのベテルギウスが爆発したら、満月と同じくらいの明るさになると言われています。
 ベテルギウスは赤色超巨星に分類される赤く大きな星です。
質量は太陽の約20倍、直径は太陽の約1000倍もあります。
(以上、引用)
 「これは、史上最大の天文ショーが見られる。楽しみ」と喜んではいけません。
もし、ベテルギウスが爆発したら、
地球には、膨大な量の放射線が届くでしょう。
最初は、ニュートリノが観測され、その後、ガンマ線がやってくるでしょう。
 ただし、最近のNASAの研究では、
超新星爆発におけるガンマ線の放出には、
恒星の自転軸から2度の範囲の指向性があり、
地球は、その方向から外れていますので、
ガンマ線バーストが地球を直撃する可能性はないでしょう。
 「これで、一件落着。やれやれ、ほっとした」とはならないかもしれません。
もし、ガンマ線バーストの方向に、他の惑星があったら、大きな問題です。
その惑星に住む知的生命体を地球に避難(移住)させる必要があるかもしれません。
 昔、「シリウスBの墜落」という想定を科学雑誌で読んだことがあります。
シリウスという星は、おおいぬ座アルファ星で、
全天で(夜空で)最も明るい星ですが、
実は、シリウスは、シリウスAとシリウスBから構成される連星です。
 シリウスBは、非常に小さな星で、白色矮星ですので、
小さな望遠鏡では見ることができません。
 ただし、小さいといっても、白色矮星ですので、
質量は、非常に大きなものです。
 シリウスBは、太陽と同じくらいの質量があるにもかかわらず、
その大きさは、地球の二倍ほどしかありません。
 そのシリウスBが、シリウスAに落ちたら、どうなるか。
そういうシミュレーションが科学雑誌に掲載されていたことがあります。
 ベテルギウスは、地球から約640光年ありますが、
シリウスは、地球からは、なんと8.6光年です。
これは、隣近所といえる近さでしょう。
 地球に近いシリウスで、このような異変が起こった場合、
地球には、まず膨大な量のニュートリノがやってくるでしょう。
もしかしたら、夜の海がニュートリノの影響で光輝くかもしれません。




































































































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